パーソナルジム・無人ジムを売る──売却と居抜き譲渡の進め方
安全と透明性を、最優先に設計しております。
パーソナルジムや24時間ジムは、内装と機器に相応の費用をかけているため、閉めるより渡したほうが手元に残るお金が大きくなることがよくあります。ただしジム特有の論点がいくつかあり、決める順番を間違えると選べる手段が減ります。売り方の4つの型、閉店前に確認する5点、買い手の探し方を順番どおりに整理しました。
1. 最初に決めるのは「何を渡すか」
ジムの譲渡は、次の4つの型に分かれます。渡す範囲が広いほど手続きは重くなり、狭いほど身軽になりますが、そのぶん受け取れる金額の考え方も変わります。ジムで判断を分けるのは、会員と、トレーナーを一緒に渡すかどうかです。ここを渡せると値段が変わります。
| 売り方 | 渡すもの | 借入・赤字の扱い | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| 会社譲渡 | 法人そのもの(株式・持分) | 借入金・赤字・保証も一緒に引き継がれる | 法人ごと引き継いでほしい。許認可や契約を切らずに残したい |
| 事業譲渡 | 店舗の事業一式(設備・顧客・契約) | 合意したものだけが移る | 複数店のうち1店だけ手放す。法人は残す |
| 経営資源譲渡 | 設備・顧客名簿など、個別の資産 | 引き継がれない | 事業としてではなく、使えるものだけを渡したい |
| 居抜き譲渡 | 内装・造作・設備 | 引き継がれない | 原状回復を避けたい。物件は買い手が貸主と新たに契約する |
会員の月会費が続いている状態で渡す場合は、事業譲渡が基本になります。会員との契約を買い手へ移すには会員本人の同意が必要になるため、切替の案内をいつ出すかを買い手と決めてから動いてください。設備だけを渡して原状回復を避けたい場合は居抜き譲渡です。
2. 閉店を決める前に確認する5点
ジムの譲渡でつまずくのは、たいてい次の5つのどれかです。閉店を決める前に押さえておくと、選べる売り方が増えます。
| 確認すること | なぜ効いてくるか | 確認先 |
|---|---|---|
| トレーナーが残るか | パーソナルジムでは、顧客はトレーナーに付いていることが多く、担当が辞めると会員も一緒に動きます。買い手が最も知りたいのはここです。残留の意思を先に確認しておくと、値段の話が早く進みます | 担当トレーナーご本人・雇用/業務委託契約書 |
| 前受金(回数券・パーソナルの残回数) | 未消化の回数券は「これから提供する義務」です。引き継ぐのか、精算するのかを決めないと、成約後にもめます。金額を先に出しておいてください | 自店の管理システム・会計帳簿 |
| マシンのリース残債 | 所有権がリース会社にある場合、勝手に譲渡できません。残債の額と、名義変更が可能かをリース会社に確認します | リース会社・リース契約書 |
| 物件の用途とスポーツ施設の可否 | 賃貸借契約や建物の用途で、スポーツ施設としての使用が制限されている場合があります。買い手が同じ用途で使えるかは前提条件です | 賃貸借契約書・管理会社 |
| 貸主の承諾と原状回復の範囲 | 居抜きで渡すには貸主の承諾が要ります。承諾が取れなければ、原状回復(スケルトン戻し)の費用が自己負担になります | 貸主・管理会社・賃貸借契約書 |
解約予告を出す前にご確認ください。解約日が決まってしまうと買い手の検討期間が足りず、居抜きで渡せたはずの設備を自費で撤去することになりがちです。
3. 値段はどう決まるか
ジムの譲渡価格は、「機器・内装の時価」「会員基盤の収益価値」「立地と賃貸借契約の条件」の3つで決まります。設備を積み上げた金額がそのまま値段になるわけではなく、会員が残るかどうかとその物件を借り続けられるかどうかが大きく効きます。近接するフィットネス業態ではEBITDA倍率4〜8倍、パーソナルジムで3〜6倍という目安が示されていますが、これは収益が安定して続く前提の数字です。トレーナーの退職で会員が大きく動く構造であれば、倍率はこれより下がります。逆に、無人運営でシステムに顧客がひもづいている店舗は、引き継ぎやすいぶん評価が安定します。
andMA では、譲渡希望額とあわせて、引き継ぐ借入金・リース残・連帯保証(居抜き譲渡は保証金と原状回復義務)を「なし」も含めて申告いただきます。裏側まで先に開示された案件のほうが、買い手の検討が早く進みます。詳しくは安全と透明性への取り組みをご覧ください。手数料の考え方は利用料金にすべて公開しています。
4. 買い手はどこにいるか
ジムの居抜き案件は、飲食・美容が中心の一般的な居抜き物件サイトにはあまり出てきません。実際に動いているのはM&Aのプラットフォームです。買い手は次のような層に分かれます。
- 独立を考えているトレーナー:自分で内装と機器を揃えるより、費用と工期を大きく圧縮できます。最も数が多い層です
- 同業の多店舗化:すでに1〜2店舗を運営していて、会員ごと引き継ぎたい事業者
- 近隣業態からの転用:ピラティス・ヨガ・インドアゴルフなど、同じ広さと設備条件を使える業態
andMA には、買い手があらかじめ条件を登録する買いニーズがあります。掲載前でも、自店の条件に近い買い手がいるかを確認できます。公開中の案件は案件一覧でご覧いただけます。
5. andMA での進め方
掲載から成約まで、売り手の費用は0円です(掲載料・月額費・中間金・成約手数料のすべて)。買い手は成約したときだけ、成約価格の2%(税別・最低20万円)をお支払いいただきます。契約書の確認やデューデリジェンスが必要な場面では、提携する弁護士・公認会計士・税理士をスポットで手配できます(費用は別途)。
- STEP 1無料登録・下書き店名や所在地は伏せたまま、業種・エリア・規模で掲載できます。
- STEP 2引き継ぐものを申告借入・リース残・保証、保証金・原状回復義務を「なし」も含めて記入します。
- STEP 3公開・打診を受ける運営が内容を確認してから公開します。関心のある買い手から交渉の申し込みが届きます。
- STEP 4面談・契約・引き継ぎ当事者間で条件を詰めます。必要に応じて士業をスポットでご紹介します。
6. 掲載前にそろえておく資料
先に手元にあると、買い手の検討が早く進みます。すべてが揃っていなくても掲載はできます。
- 直近2〜3期の決算書(法人の場合)または確定申告書
- 会員数の推移と、プラン別の内訳(直近12か月)
- 月次の売上と固定費(家賃・人件費・リース料)
- 賃貸借契約書(原状回復条項・用途・残存期間が分かるもの)
- マシン・機器の一覧とリース契約書(残債の額)
- 回数券・パーソナルの未消化残高
- トレーナーの契約形態(雇用/業務委託)と残留の意向
ほかの業種のガイド
インドアゴルフ・ゴルフスタジオ美容室・サロン飲食店カフェ整体院・接骨院エステサロンヨガ・ピラティススタジオ学習塾コインランドリー
売り方そのものは居抜き・造作譲渡の進め方、手数料は利用料金、進め方はご利用の流れをご覧ください。
よくある質問
パーソナルジムを売りたい。どこに相談すればよいですか?
小規模な店舗の譲渡は、M&Aのプラットフォームに掲載するのが最も早い方法です。andMA は売り手の費用が0円で、店名を伏せたまま掲載できます。会社譲渡・事業譲渡・経営資源譲渡・居抜き譲渡のいずれにも対応しています。運営は、自社で直営の会員制スタジオを運営する株式会社TERVEXです。
トレーナーが辞めると言っています。それでも売れますか?
売れますが、値段の考え方が変わります。パーソナルジムでは顧客がトレーナーに付いていることが多く、担当が抜けると会員も動くためです。この場合は「会員基盤の収益価値」ではなく「機器・内装の時価」に近い評価になります。買い手が独立希望のトレーナーであれば、むしろ自分で施術したいという需要と合うこともあります。状況を先に開示したほうが、結果的に早く決まります。
回数券が残っています。どう扱えばよいですか?
未消化の回数券は「これから提供する義務」ですので、引き継ぐか精算するかを契約で決めます。買い手が引き継ぐ場合は、その分を譲渡価格から差し引くのが一般的です。いずれにせよ、残高の金額を先に出しておくことが重要です。後から出てくると、交渉が止まる原因になります。
マシンがリース中でも譲渡できますか?
残債の額と、リース会社が名義変更に応じるかによります。所有権はリース会社にありますので、前の借主が勝手に譲渡することはできません。買い手が引き継ぐ、売り手が一括で清算する、機器を外して渡す、のいずれかになります。掲載前にリース会社へ確認しておいてください。
閉店を決めてからでも間に合いますか?
解約予告を出す前にご相談ください。解約日が決まってしまうと買い手の検討期間が足りず、居抜きで渡せたはずの機器を自費で撤去することになりがちです。貸主の承諾・原状回復の範囲・リース残債の3つを確認してから動くと、選べる売り方が増えます。